INTERVIEW

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永廣勇資様
社会保険労務士

ビジネスを組み合わせて成功した社労士事務所

ビジネスを組み合わせて成功した社労士事務所
士業といえば、通常思い浮かべるイメージは「専門職」である。法律を専門に、孤高に法律業務だけを行う様子だ。しかし、中には従来とはまったく違う方向で成功してしまう人がいる。専門的でなく、多角的に。本来の士業とは違う、現代的な士業だ。それが、大阪に事務所を構える永廣勇資社労士。永廣社労士は、社会保険労務士業と同時に、ウェブ制作を仕事にしている。本来ならば、平行して行うことがない仕事であるが、永廣社労士は見事に両立させている。今回は、永廣社労士に専業でないやり方で成功する方法をインタビューした。
他に永廣社労士のように、士業と別ビジネスを両立させている士業に会ったことは?
「うまいこと混ぜてやっている人はそこまで会わないですね。副業的に小さくやっている人はいますが、なかなか平行に、オープンにしている人はいませんね。」
2つ仕事があるもどかしさは?
「最初は、副業をやっているように思われている不安がありました。社労士が本業なのか、ウェブ制作が本業なのか、迷われる。名刺も2枚あって。」

士業は特に専業が好きだ。専門的にやっていることが美学とさえ思っている人もいる。私が開業した2003年頃は、特にそういう空気が存在した。しかし、時代は変わってきている。永廣社労士は、ある時からこれを同時平行することを決意した。どちらも仕事になる。仕事を絞ってしまうのは惜しい。

「難問でした。社労士とウェブ制作をひとつにまとめて伝えるのは非常に難しい。でも、共通点はあるんです。基本はクライアントに良くなってもらうということ。ちょっとこじつけに見えるかもしれませんが、それで【デジタル】と【人事】で事務所を運営するというコンセプトが生まれたんです。」

「デジタル人事」という言葉は、彼がつくった言葉だ。どこにもない。こうしたコンセプトを持つことによって、クライアントや他士業の見方が変わっていった。2つあった名刺は1つにまとまり、デジタル人事という言葉、コンセプトは周りに伝わった。名刺交換すれば、確実に聞かれる。これって何ですか、と。そうすれば、すべて説明ができる。そして、本業・副業の違和感は次第に減少していった。同業者からもウェブ制作の仕事が来ることもあるという。
クライアントの反応は?
「これは見事にハマりました。助成金で提案して、条件に満たないということはよくあるんですが、それでもウェブ制作の仕事が取れたりする。逆もあって、ウェブ制作で費用が合わなくても、助成金や人事制度の提案を聞いてもらえることもある。だから、商談成立の可能性が上がるんです。」

実は、これには商談のカラクリがある。例えば、助成金の提案にいけば、クライアントは助成金の条件について、真剣に商談をする。条件、費用など。一方で、その商談が終われば、気が抜ける。その際に雑談のようにウェブ制作の話をすると、相手も売り込まれている気がしないので、話を聞いてもらいやすいのだ。だから、二の矢、三の矢があることは、実は商談では強い武器になる。
売上への影響は?
「単純に売上は伸びました。今まではたまたま来ていたウェブの仕事も積極的に提案できるようになりましたし、何より自分がやってきたキャリアを活用できて、過去の自分も肯定できるようで、自分がこれで行けると確信を持てたのが大きかったです。同業者からは、影で何か言われている可能性はありますが(苦笑)、お客様の反応は良いですし、2つやっていることへの批判はあまりなかったです。」

自信を持つことは営業の隠れた基本だ。自分に自信があるということは、強気でいける。人は自信のある人から買いたいと思うものだ。自分の過去のキャリアを生かせずに、社労士でもなかなか売上が伸びない。そういう状況を変えたのが、2つの仕事をひとつにするコンセプトだった。あれもこれもやりたい。でも、市販のビジネス書だと仕事は絞れと書いてある。

一方で、ウェブ制作は、違った側面もある。社労士の仕事は、士業の仕事特有のニーズ業務が多い。従業員10名超えたから、就業規則をつくるなど、提案しても受け入れる「ニーズ」がない場合が多い。その点、ウェブ制作であれば、商談の中で提案することも十分可能だし、実際に永廣社労士は、ウェブ制作等のテーマでセミナーをし、受注を取ることもあるという。

得意技があれば、活かすべきだ。もう士業は専業でいる時代ではない。専業になればなるほど、代行業になればなるほど報酬額は下がっていく。つまり、自分しかできないことに集中する必要があるのだ。それを体現しているのが永廣社労士なのである。唯一の悩みとしては、ウェブと法律業務の頭の切り替えぐらいだという。日中は社労士業務を行い、その後ウェブ制作業務を行うようにして、切り替えするようにしているそうだ。

今後は、ウェブ制作と社労士業務の割合を考えながら、また経営方針を定めていくという。2年後、3年後に話を聞くとき、どのようなコンセプトで事務所を経営しているか、実に楽しみである。
永廣勇資(ながひろ・ゆうすけ)
1978(S53)年9月21日生。京都市伏見区生まれ、大阪府交野市出身。近畿大学商経学部商学科卒業。東証一部信販会社にて営業、債権管理、システム管理に従事。その後大阪のアパレル関連中小企業にて営業・生産管理を経験し、社会保険労務士試験に合格。

2010年6月社会保険労務士として開業。ながひろ社労士事務所を開設。2011年1月よりWeb制作業務を開始。2013年4月大阪デジタル人事ラボを開設。「デジタル」と「人」で会社を良くすることを目指してデジタル仕事効率化コンサルティング、最低限ウェブ制作パック、助成金関連業務、人事労務顧問などのサービスをお客様に提供している。